技術用語(金属用語解説・プラスチック用語解説)

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ラッピング/lapping
研削盤で仕上げた加工物の表面をラップ剤を用いてさらに平滑にし、寸法精度、面粗度の向上のために行なう研磨法で、湿式と乾式とがある。

粒界腐食

結晶粒界に析出物ができ、その影響で付近の析出元素の不足から集中的に腐食が進むことをいう。ステンレスではCrの析出であり、600℃~800℃の高温域で特に起こりやすい。また粒界腐食はニッケル合金、アルミニウム合金にもみられる。アルミニウム合金では、特に2000番系が最も粒界腐食の可能性が高く、7000番系、5000番系でも発生する。
流動性
金型のダイの開口部のような限られた空間を流れる場合の粉末の流れやすさ。

冷間圧延/cold roll
圧延」の項を参照のこと。
冷間加工(C)
再結晶温度未満、または常温で行なわれる加工を冷間加工といい、またこれは塑性変形を利用した加工である。冷間加工によって金属は加工硬化し、残留応力やひずみエネルギーが蓄積されるので加工前より不安定な性質となる。安定化するためには再度再結晶温度に加熱後、徐冷し焼なましをする。冷間加工の例では冷間圧延、引抜き、冷間鍛造、プレスなどがある。
冷間加工率
加工率」の項を参照のこと。
連続鋳造/continuous casting
大型で長い鋳塊を作る鋳造方法で、底のない鋳型に上から溶湯を注入しながら下から凝固した部分を引抜いて連続的に鋳造するものである。また砲金(BC)のように連鋳品として製品となるものもある。連鋳品は組織が微細均一で内部欠陥がなく、「偏析」もほとんどないという利点がある。

ろう付け/brazing
2個の母材にはさんだ融点の低い金属片(ろう)を加熱溶融して接合する溶接法で、母材自体を溶かさない特長がある。ろう(solder)には、硬ろう(hard solder)と軟ろう(soft solder)がある。硬ろうは高融点(450℃以上)の金ろう、銀ろう、黄銅ろうなどがあり、軟ろうは低融点(450℃以下)のPb-Sn合金を代表とする、いわゆるはんだ(半田)がある。
ローズ/RoHS
2006年7月に施行された、電子・電気機器における特定有害物質の使用制限についての欧州連合(EU)による指令。Restricution of Hazardous Subustances(危険物質に関する制限)の頭文字からRoHSと呼ばれる。一般的に「RoHS指令」あるいは「RoHS基準」と呼ばれることが多い。
ローラレベラ/ローラレベリング
ロール列の間に板材を通して板材のひずみを矯正する装置。
ロール目
アルミ合金や伸銅品の板には、圧延加工時の圧延ロールの方向に細かい筋目が残っている。これをロール目という。また、内部の結晶組織もこのロール目方向に流れているため、曲げ加工はロール目に直角方向に行なうと割れにくく、切断も長手をロール目に合わせた方がソリや歪が発生しにくい。
ローレット材
真中棒などの転造により、歯車のような断面の縦目すじ(平目)や、ななめの格子状のすじをつけた(あや目)があり、装飾品やすべり止め軸などに使われている。
緑青
銅の腐食生成物で、銅屋根などによく見られる緑色の被膜を緑青(ロクショウ)と呼んでいる。また緑青を人工的に生成する化学的方法や電解法があり、美観性を高めて商品化されているものもある。
ロックウェル硬さ HR/rockwell hardness test
押込み硬さで、先端が頂角120℃の円すい型ダイヤモンド圧子、(HR、Aスケール、Cスケール、Dスケール)と鋼球圧子(HR、Bスケール、Fスケール、Gスケール)のいずれかを用いる。まず基準荷重を加え、次に試験荷重を加え、再び基準荷重に戻したとき、前後2回の基準荷重における圧子の侵入深さの差から硬さを求める。
基準荷重 10kgf
試験荷重 60kgf Aスケール Fスケール
100kgf Dスケール Bスケール
150kgf Cスケール Gスケール
圧子種類 円すい圧子 鋼球圧子
露点腐食
金属表面の結露により水分あるいは酸が腐食を起こす要因となることで、自然現象でもあるためその対策はむずかしいが、極力除湿するか温度変化を小さくしたり、空気を遮断することが考えられる。

ワイヤーカット
走行する直径0.02ミリ~0.35ミリのワイヤ電極(黄銅線)と加工物の間で放電させ、糸のこのように複雑な輪郭形状のものを切り抜く加工法である。加工液は一般にイオン交換樹脂を通した純水を使用する。白銅の金型用高強度アルミ合金()の場合、通常の炭素鋼の約3倍のスピードでワイヤーカット加工できる。