プラスチック用語解説

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プラスチック用語解説

体積抵抗率/volume resistivity
絶縁物の内部に1cmの立方体を考え、その相対する両面間に電圧を加えた場合の両面間の電気抵抗をいい、Ω・cmの単位で示す。
弾性変形/elastic deformation
物体に応力を加えた時におこる全変形のうち、応力を取り除くと直ちに復元する部分のこと。

着色剤/coloring agent
成形品や塗膜に一定の色彩を与えるために用いる染料及び顔料の総称。
超音波溶接/ultrasonic welding
熱可塑性プラスチック製品の溶接部に超音波をあて、そのエネルギーによって発熱させて溶接する。

転移温度/transition temperature
物質の性質が非連続的に変化する温度をいう、一次転移温度及びガラス転移温度(二次転移温度)がある。

透過性/permeability
液体又はガス体が透過し得る固体の性質をいう。一般に物体に対するガスの透過性は、一定温度において単位面積、単位時間及び単位厚さに対して透過するガス量により示される。水蒸気の透過性をとくに透湿性という。
透明性/transparency
可視光線を通す性質をいい、光の透過率の程度により、他に半透明性及び不透明性の別がある。
トランスファー成形/transfer molding
熱硬化樹脂に用いる成型法で、加熱室に成形材料を入れて溶かし、金型のキャビティに移送して成形する方法。
トリミング/trimming
1.成形品にできるバリを取り除くこと。 2.フィルム・シートなどの両端の耳部分にある厚さなど不整部分を取り除くこと。

二軸延伸フィルム/biaxial stretched film
フィルムやシートを一方向にのみ延伸すると強度又は伸びに方向性を生じ、一般に実用性を損なうことが多いために、特にフィルムにおいて直角2方向に延伸し、釣合いが取れ、強度向上を求めたものが得られる。この方法を二軸延伸といい、この方法で作られたフィルムは、二軸延伸フィルムと総称される。

熱可塑性樹脂/thermoplastics
加熱すると軟化して可塑性を示し、冷却すると固化するプラスチックを総称していう。
熱硬化性樹脂/thermosetting resin
熱や触媒により硬化する樹脂のことで、代表的なものにフェノール樹脂、エポキシ樹脂、ユリア樹脂、不飽和ポリエステル樹脂などがある。
熱変形温度/deflection temperature under load
荷重たわみ温度」の項を参照こと。

ノッチ効果/notch effect
穴・ミゾがある材料に応力を加えると、その集中効果によって強さが低下する効果のこと。

汎用樹脂
価格が安く、加工もしやすい熱可塑性プラスチックのこと。中でも、PE,PP,PVC,PSが四大汎用樹脂と呼ばれている。
パーティングライン/parting line
金型の雌型と雄型の分割面やおも型とサイドコアの分割面のこと。PLと略す。
パリソン/parison
ブロー成型でふくらませる前の筒状の成型材料のこと。

ヒケ/sink mark
成形品の表面に生じるくぼみのことで、肉厚の厚い成形品や肉厚に不同のある成形品で発生しやすい。これは、厚肉品では外面は早く冷却され、内部は冷却連鎖が遅くなるアンバランスが原因となる。
非結晶性プラスチック/non-crystalline plastics
結晶化状態になり得ないか、結晶化してもその結晶化度が極めて低い高分子物をいう。分子の配列が一定しない状態であるため、無定形高分子又はアモルファスポリマーと呼ばれている。PS,PVC,ABS樹脂,メタクリル樹脂などは非結晶性樹脂に属する。
引張降伏強さ
引張りの状態で破損する前に材料によって耐えられる最大応力。その最大応力が降伏点において発生する時の強さのこと。
引張破断強さ
引張りの状態で破損する前に材料によって耐えられる最大応力。その最大応力が破断点において発生する時の強さのこと。

フローマーク/flow mark
射出成形において、溶融材料の流れの経路が成形品の面に残り縞状や波状の外観上の欠点となる模様のこと。
ブロー成型/blow molding
押出機から成形材料をチューブ状に押出し(パリソン)、これを中空の金型内に入れ内部に空気を吹き込んで膨らませると同時に冷却して中空の成形品を造る方法。中空成形とも呼ばれる。一般には、瓶などの容器類に多く用いられ、その他に自動車部品などの工業部品や玩具などにも利用されている。

変色/discoloration
光・熱・屋外暴露・化学薬品などによって色が変わること。
ペレット/pellet
直径または一辺が2~3ミリ位の小さい一定の円柱形または角柱に造粒した成形材料をいう。

ホモポリマー/homopolymer
一般には共重合体(copolymer)に対する単独の重合体の意味で、単一種類の単量体から得られる重合体を指すことが多い。
ボイド/void
成形品の内部にできた空洞のことで、巣ともいう。発生原因としてはヒケと同じであり、成形品の外面に現れる収縮歪がヒケであり、内面に発生するのがボイド(空洞)である。
ポリマー/polymer
「ポリ」は多数、「マー」は高分子を形成する繰返し単位のこと。ポリマーとは多数の繰返し単位の低分子化合物からなる重合体のこと。
ポリマーアロイ/polymer alloy
高分子を2種類以上含んだ相互作用の強い高分子多成分系の総称。ポリマーアロイとしては、異種ポリマーをブレンドしたもの、異種ポリマーを化学的に結合したブロック共重合体、グラフト共重合体、異種ポリマー同士の水素結合や疏水結合で連なったポリマーコンプレックス、異種ポリマー同士の網状構造が絡み合った相互貫入高分子網目(IPN)がある。

曲げ強さ/bending strength
曲げ荷重によって破断する場合の最大応力をいい、kg/mm2の単位で示す。

モノマー/monomer
付加反応(付加重合)によって重合体を生成する単位物質。例えば重合に用いられるブタジエン、スチレン、アクリルニトリル、エチレン、塩化ビニルなどをいい、一例としてエチレン(monomer)が重合してポリエチレン(polymer)になる。単量体ともいう。

溶接/welding
熱可塑性プラスチック成形物の2片を加熱によって接合すること。熱風溶接、熱板溶接、高周波溶接などの方法があり、同時に加圧することもある。

離型剤/mold release
金型により成形した製品を金型から押出せるように成形前に金型表面に塗る塗布剤のこと。焼付き防止、摩擦係数の低下、金型の冷却などを目的として使用され、希釈に水を用いる水溶性と灯油を用いる油性とに分けられる。
RIM成形/reaction injection molding
反応射出成形のこと。反応性のある2種類以上の原料の液体を計量してから、混合室の中で混合し、金型内に送り込んで反応させて成形品を製造する方法。代表的なものにナイロンRIM,ウレタンRIM,エポキシRIMなどがある。

劣化/degradation
高分子物質が加熱されたり光や風雨にさらされた時に、変色・亀裂が起こるなど、物理的・化学的物性が低下する性質をいう。