技術用語(金属用語解説・プラスチック用語解説)

Products

IACS
International Annealed Copper Standardの略称。国際的な導電率の表し方。
厚板/plate
板厚が6.0ミリ~50ミリの板。または、6.0ミリ以上の板。ただし、厳密な定義はない。

圧延/roll

2本の回転ロールで材料を延ばしたり成形したりすること。この方法で作られた金属製品を圧延品という。また圧延機のことをミルともいう。再結晶温度以上の高温で圧延することを熱間圧延といい、厚板・ステンレスのアングル・チャンネル・丸・四角・平棒などは熱間圧延で作られる。一方、再結晶温度未満で圧延することを冷間圧延といい、主に薄板の製造に用いられる。
圧造
金属に圧力を加えて変形させる加工法。

アニール

焼なましのこと。一定温度に加熱して成形によるひずみを除去する方法。焼鈍。

アルマイト/alumite

「陽極酸化皮膜処理」ともいい、アルミニウムに耐食性酸化皮膜を施すこと。ショウ⇒シュウ酸溶液中でアルミを陽極として、電解するとアルミの表面に多孔質で電気絶縁性・耐摩耗性の高い酸化皮膜ができる。さらに高圧蒸気または熱湯処理をして孔をふさぐと黄緑乳白色の耐食性にすぐれた皮膜になり、建材用のアルミの表面処理によく使われている。また自然発色法や染色法を利用して容易に着色でき、黒やブロンズ色が多用されている。多孔質を利用して樹脂や金属を侵入させ、耐摩耗性を改善させたり通電性をもたせることもできるので、皮膜の用途、目的によりクロム酸や硫酸などを使用して、さらに優れた特性を出すこともできる。(参照「硬質アルマイト」)
アルマイトタッチ跡
アルマイト処理をする際に、材料をつかんでアルマイトをかけるがそのつかみ部分にはアルマイトがかかっていない。その部分のこと。
アルミ金型
モールドベース」の項を参照のこと。
アルミダイセット
ダイセット」の項を参照のこと。

インゴット/ingot
精錬を終了した溶液を鋳型に注入してできた鋳塊のこと。熱間圧延や熱間押出のためにスラブ、ビレットに分塊される。

薄板/Sheet
板厚が0.5ミリ~3.0ミリの板。または、3.0ミリ以下の板。ただし、厳密な定義はない。

液体ホーニング/liquidhoning
粒状の研磨剤の入った液体を加工物に噴流させて表面の仕上げまたは清掃を行う研磨方法で、酸洗の前処理などで使われる。

S-N曲線

疲れ強さ試験において、材料に発生する応力S(N/mm2)を縦軸にとり、横軸に材料が破壊するまでの繰り返し数Nをとったグラフを「S-N曲線」という。
エッチング/etching
化学薬品などで腐食作用を起こし、塑形ないし表面加工技法。素材表面の必要部分にのみ防食処理をし、腐食剤にて不要部分を溶解侵食することで目的形状にする。
エンドミル
外周面及び端面に切れ刃をもつシャンクタイプフライスの総称。

応力/Stress
単位面積当たりの力のこと。荷重=N(kgf)を材料片の平行部のはじめの断面積(mm2)で割ったものが応力である。:N/mm2(kgf/mm2)
応力除去焼鈍
鋳造、焼入れ、機械加工などによる残留応力を除去するために加熱する焼鈍。
応力・ひずみ曲線
応力(stress)-ひずみ(strain)からS-S曲線ともいう。引張試験において縦軸に引張応力(荷重)、横軸に引張ひずみ(伸び)の量または伸び率%をとり、引張応力と伸びの関係を線グラフにしたもので、引張強さ、降伏点、耐力、弾性限度などが図示できる。
応力腐食割れ
応力腐食割れは、特定の腐食環境下において引張応力が共存すると割れを起こす現象である。冷間加工を受けた黄銅で、加工によって生じた残留応力の引張力のかかっている部分が空気中のアンモニア等のために腐食されて割れを生じることがある。これを「時期割れ」「置き割れ」といい、応力腐食割れのことである。また、オーステナイト系ステンレスやアルミ合金(特に高強度の合金など)も主に塩素イオンに影響されて同様の応力腐食割れが発生する場合がある。いずれも応力除去焼鈍をするか、表面処理を施すことが有効な対策となる。
オーステナイト/austenite *オーステナイト系ステンレス
面心立方格子のγ鉄に炭素(C)を最大2.1%まで固溶した固溶体組織で、727℃以上の高温で安定な組織であり、通常、常温では存在しない。しかし、オーステナイト生成元素のNi、Mnを多量に固溶すると常温においてもハチの巣のような六角形の結晶粒を示すオーステナイト組織が得られる。18Cr-8Niに代表されるオーステナイト系ステンレスはNiによりオーステナイト組織を持ち、粘り強く、柔らかく、成形性と耐食性に優れた性質を示す。溶解性も良好であるが、切削性に劣り焼入硬化性はない。またオーステナイトは常磁性体(非磁性体)であるが、加工等によりマルテンサイト組織が誘起されて磁性を帯びることがある。逆に、マルテンサイト組織にオーステナイト組織が残ることを残留オーステナイトと言っている。
屋外暴露試験
大気中での金属の耐食性を知るために、試験片を屋外で風雨にさらして行う腐食試験である。
押出成形/Extrusion molding
加熱したビレット(主に円柱形の鋳塊)をコンテナという筒の中に入れ、出口に求める形状に加工された金型(ダイス)を置き、圧力をかけて押し出す加工をいい(前方押出し、後方押出しがある)、通常押出性をよくするために熱間にて押出をする。アルミニウム合金や銅、黄銅などの非鉄金属の棒、管、異形材の製造に利用される。サッシ材として主に使用される63S型材は代表的なものである。

加工硬化/work hardening

「ひずみ硬化」ともいう。鉛など特異な例を除き、金属に応力を与えると結晶のすべりが生じ、そのすべり面に対しての抵抗がだんだん増してくる。そしてその抵抗がある程度大きくなると他の面に順次移っていく(塑性変形)。冷間加工により変形が進めば進むほど抵抗が大きくなり金属は硬さを増していくが、これを加工硬化という。伸銅品、ステンレス板やアルミの非熱処理合金板などはこの加工硬化の程度(加工率)によって質別の区分がされている。
例)伸銅品1/4H、1/2H、3/4H、H、アルミニウム合金H1n加工硬化のみのもの、オーステナイト系ステンレス、SUS301、1/4H、1/2H、3/4H、Hなど
加工硬化係数(n値)
絞り加工性の目安にもなる特性値で、「n値」とも呼ばれる。降伏点以上の塑性域における応力σとひずみεとの関係(曲線)をσ=Cεnで近似させた時の指数nのことである。加工硬化係数(n値)が大きいほど、局部収縮発生までの伸びが大きいため絞り性が良くなる。一般にn値は、0.15~0.45程度であるが、下記の代表例もある。 アルミニウム(軟)0.27 黄銅2種65/35(軟)0.55 18-8ステンレス 0.50

加工率%

「冷間加工率」ともいう。加工硬化はその加工の程度によって硬さが変わってくる。これを利用してJISでは伸銅品の機械的性質の違いを規定している。加工率は通常加工前の材料の断面積Aoと加工後の断面積Aの差を加工前の材料の断面積Aoで割った百分率(%)で表す(加工率=(Ao-A)/Ao×100%)。また、板の場合は、幅はほとんど変わらないので断面積のかわりに板厚及びその差で算出することができる。一般に加工率が大きくなれば、硬さと引張り強さは増し、伸びは低下する。
硬さ/hardness
「一物体の硬さとは、これを他の物体をもって押しつけるとき、その物体の変形に対する抵抗力の大きさをもって規定する」との定義であるが、実際には「ブリネル硬さ(HB)」「ショア硬さ(HS)」「ロックウェルC硬さ(HRC)」「ビッカース硬さ(HV)」の値で比較して硬さを知ることになる。一般に硬い材料は強さや耐摩耗性が大きく、伸びや絞りが小さい。また硬さは引張強さと密接に関連している。HB、HS、HRC、HVの値の相関はかたさ換算表で確認。
硬さ試験/hardness test
材料の機械的性質の中で硬さを調べる試験で、押込み硬さ(HBブリネル硬さ、HVビッカース硬さ、HRロックウェル硬さなど)、反発硬さ(HSショア硬さ)の2種類に区分けされる。
ガスケット
シリンダーヘッドとシリンダーの間にはさむ薄い型抜き板のことで気密性を高めるパーツ。

機械的性質
材料の機械的な特性、つまり弾性、非弾性反応、応力と歪み、弾性率、引張強さ、疲れ限、硬さなどのように力が加えられた場合に発生する材料性質。
矯正
板材の平坦度や棒材の真直度を改善するために行う修正処理で、テンションレベラー、ローラレベリングによる加圧と、ストレッチャーによる引張り矯正などがあるが、場合により併用されることもある。

クラック
材料の外面又は、その全厚さを貫通しているか又は貫通していない割れ目。製品の表面から内部に広がったキ裂のこと。
クラッド材/clad plate
強さを増したり耐食性を向上させたりするために、ある金属に他の金属を加圧接着や圧延によって合わせ板にしたもので、被覆材の一種である。ジュラルミンに純アルミを合せたアルクラッドなどがある。
クリア
耐候性を増す目的でアルマイトの上に施される透明な塗装。
クリープ強さ/creep strength
応力で少しずつ伸びていく現象のこと。高温強度を示す値。クリープとは高温で長時間の荷重のもとでは、常温時よりはるかに小さい。クリープ強さは一定温度においてのクリープ速度(1%/10万時間)を生じる応力のことである。

ケーク/cake

スラブ」ともいう。板、条製造用の厚い板状になった鋳塊のことをいい、主に円柱形の鋳塊(=「ビレット」)と区別されている。
結晶粒/grain *結晶粒度/grain size
金属は多くの微少の結晶からできている多結晶体であり、その結晶の一つ一つを結晶粒という。この結晶粒の境を結晶粒界と言い、不純物が集まりやすく「粒界腐食」など腐食されやすい場所である。またこの結晶粒の大きさを「結晶粒度」といい、曲げ加工時の肌荒れの差となってあらわれ、黄銅板ではJISで区分されている。結晶粒は「再結晶温度」以上に加熱すると拡大し、同じ材質でも熱処理の方法により結晶粒度は変わってくる。一般に「焼入れ」をすると細かくなり「焼なまし」をすると大きくなる。金属の結晶粒の大きさは0.01ミリ~0.1ミリぐらいである。

小板定尺
銅、真中は巾365ミリ×長さ1200ミリが主で、りん青銅、洋白は巾180ミリ×長さ1200ミリ、アルミは巾400ミリ×長さ1200ミリの板のことを小板と呼んでいる。尚ステンレスには小板定尺はない。
コイルカット品
ステンレス業界ではメーカーが供給する定尺板を「一級シート」又は「メーカー定尺」と言い、流通コイルセンターのコイルカット品を、それと区別する意味でCC板(コイルカット)と呼んできた。しかし、いずれもコイルから切断して定尺板を製造するため、特に区別することも少なくなってきている。またステンレスの薄板定尺品を総称してCC(シーシー)と呼んでいることもある。
光輝焼鈍(BA)/bright annealing
「光輝焼なまし」ともいう。光沢のある金属表面を保つために、表面の酸化脱炭を防ぎ、還元または中性ガスあるいは真空中で加熱し、焼きなましをすることを光輝焼鈍という。真中管やステンレス板のBA材、細棒3φ~9φはこの光沢を利用し、そのまま商品化されている。

硬質アルマイト/hard anodized aluminium

アルミニウム及びアルミニウム合金の表面処理で、陽極酸化皮膜(アルマイト)処理のうち、硬度(HV)350以上のものを硬質アルマイトと呼んでいる。耐摩耗性、耐食性にすぐれ、耐電圧、含油性をもっている。皮膜の形成法は硫酸浴をベースとして10℃以下の低温で陽極酸化する低温法と、有機酸に硫酸を添加した混酸を用いて常温付近で電解する常温法とがある。(参照「アルマイト」)
高周波抵抗溶接
コンタクト(接触子)を介して200Kc~2Mcの高周波電流を直接母材に流し、母材を部分的に加熱、加圧して接合する抵抗溶接の一種である。とくにパイプの溶接に適しており、ステンレスの化粧管もこの方法で中径管まで作られていることが多い。非常に高速で溶接できる利点がある。
孔食/pitting corrosion
すきま腐食の一種であり、「点食」ともいう。アルミやステンレスの不動態皮膜面が、有機物などの異物が接触している箇所や塩素イオンの溶液中で、主に中性付近の塩素イオンが吸着して部分的に皮膜が破壊され、内部に浸透する腐食である。
降伏点/yield point
引張試験の途中で応力(引張荷重)が急に低くなり、その後応力が大きくならないで伸びが進むという現象が起こる。その転機の応力Wを試験前の材料片の断面積Aoで割った値を降伏点という。降伏点までは、材料の弾性域、降伏点を超えた領域は材料の塑性域であり、スプリングバック発生の目安ともなる。
極厚板
板厚が50ミリを超える板のことをいうが、厳密な定義はない。
極薄板
板厚が0.3ミリ~0.5ミリの板のことをいうが、厳密な定義はない。
5'×10'板(ゴトウ)
巾5尺×長さ10尺からとって、ゴトウ板という。アルミ板では1525ミリ×3050ミリの板。

固溶化熱処理

合金において、一般に温度が高くなるほど基本金属に加える合金元素は溶け込みやすくなる。したがって、合金固有の温度に加熱した後急冷すると、低温では析出するはずの合金元素が固溶(溶け込み)したままとなる。これを固溶化処理といい、オーステナイト系ステンレスではJISでも固溶化熱処理したもので機械的性質を決めている。また非鉄金属(主にアルミニウム合金)では「溶体化処理」もしくは、「焼き入れ処理」とも言う。 固溶体処理加熱温度: ステンレス1,000℃~1,100℃前 アルミニウム合金 450℃~550℃前後

サービスヘアー
ステンレス(C)平棒に多い仕上面で、通常2面(4面の場合もある)にHL研磨(150#~250#研磨)を長手方向に施した表面仕上。HL平棒と区別することもあり、サービスヘアーと呼ばれている。
サーフェス仕上げ
圧延後、面削仕上げをした板。
再結晶/recrystallization
冷間加工によって加工硬化した材料をある温度まで加熱すると急に軟化する。これは、加工によって変形した結晶が、多角形の細粒に分割結晶するためで、増加していた転移も消滅し、結晶粒は内部ひずみを持たない安定したものとなる。これを再結晶といい、この再結晶の始まる温度を「再結晶温度」という。またこの再結晶温度以上の加熱後に除冷することが「焼なまし」に当たる。

再結晶温度

一般に金属の加工度が大きいほど再結晶温度は低くなるが、含有不純物や合金の場合加合元素の影響がかなり大きい。また鉛やすずは常温以下で再結晶するために、逆にいえば加工硬化がみられない。

サブゼロ処理/subzero cooling

焼き入れしたものをすぐに0℃以下(実際には-80℃ぐらい)に再急冷する処理をいう。鋼の場合、焼き入れによる硬化(オーステナイト組織→マルテンサイト化)をさらに進めるために残留オーステナイト組織を除去する処理のことであり、時効変形を防ぐ効果がある。「深冷処理」ともいう。

酸洗

「脱スケール」ともいう。熱間圧延後熱処理すると、表面にスケール(scale)という加熱による酸化皮膜ができる。これを酸の液中に通して取り除くことを酸洗という。酸洗後は十分に水洗いして乾燥させ、そのまま製品となるか、次工程(冷間圧延など)に送られる。
サンドブラスト
圧縮空気や遠心力などで砂または粒状の研磨材を加工物に吹きつけて行う研磨方法である。

残留応力/residual stress

「内部応力」ともいう。鋳物の例でいうと、溶湯は型形状の細かい部分や表面部から冷えて先にかたまり始めるが、内部では後から冷えて収縮しようとする。その際、すでにかたまった外部には内に引張られて縮もうとする力、内部には外部に引っ張られる力が残る。こうした金属内部に残留する応力のことを「残留応力」という。また冷間加工によっても内部に応力が発生・蓄積され、「残留応力」となる。加工中の変形、応力腐食割れの要因となるなど、問題も多い。尚、対策としては応力除去を目的とした「焼なまし」が一般的である。また引っ張り矯正などで一部残留応力も低減することもできる。

シーム溶接
ローラー電極で2枚の母材をはさみ、電極を回転させながら加圧・通電して接合する方法で、スポット溶接(点溶接)が連続して行われる溶接方法である。シーム溶接は、薄板の連続溶接に適した方法で、抵抗溶接の一種である。
自然時効/natural aging
時効硬化」「析出硬化処理」の項を参照のこと。
自然発色膜
染料や顔料を用いないで、素材の組成、材質および電解・化学反応条件により発色させた皮膜のこと。
4'×8'板(シハチ)
4尺×8尺からとって、シハチ板という。ステンレスでは巾1219ミリ×長さ2438ミリの板、伸銅品、アルミでは巾1250ミリ×長さ2500ミリの板をいうのが一般的である。前者を小シハチ、後者を大シハチということもある。
絞り/reduction of area
引張試験で破断した材料片の最小断面積Aと最初の断面積Aoとの差(小さくなった面積)を最初の材料片断面積Aoで割った百分率%。
絞り加工/ironing
常温において平らな板金をポンチ(雄型)でダイ(雌型)に押し込んで、椀状あるいは底のある容器状のものに変形させる加工のこと。このほか絞りにはへら絞り法としてポンチ、ダイなどの上、下型を用いず、単一型を回転させて、外周からローラで押しつけて成形するスピニングという方法がある。
絞り加工性
板などの素板から底のある容器を押し出すとき、その変形のたやすさ。

縞板

「チェッカープレート」ともいう。板の片面に凸模様のすべり止めをつけた板で、縞溝のある圧延ロールで圧延する。ちなみに板厚は凸部ではなく平面部の厚みをいう。
射出成形/injection mold
素材を鋳型に注入して造形する方法のことをいうが、もっぱらプラスチックの成形方法のことを指す。熱で溶かしたプラスチック樹脂をキャビティ、コアの凹凸のすき間に流し込み、通常は冷却して所定の形状に成形する方法のことである。それには、一連の作業を自動で行う射出成形機が使用されている。またモールド(金型)は、鋼で作られるのが一般的であるが、金型の単納期化、コストダウンに適するアルミニウム合金金型材()も登場し、S55Cと同等の強度を持つことから、試作型ではなく本型としての採用が増えている。更に金型のアルミ化は、アルミの冷却性の良さから射出成形においてショットサイクルの向上が得られ、トータルコストダウンには最適である。
シャルピー衝撃試験
衝撃試験の方法で試験片の両端を支えて中央部を折って衝撃値を求める。シャルピー衝撃試験で試験片を破断するために使われた吸収エネルギーを、その破断した部分の面積で割った値を求める方法で、一般にこの値が小さいものはもろい。
ショア硬さ HS/shore hardness test
反発硬さ。鋼材や非鉄金属など材質に左右されず、広範囲で測定できる。測定方法は、一定の高さから試験片の面に向けてハンマーを落とし、その跳ね上げ高さの比例値で示す。
衝撃試験/impact test
材料の動的衝撃に対する抵抗の度合いを測定するもので、ねばり強さ[靭性]、もろさ[脆性]を知ることができる。特に脆性を知る有効な試験方法である。シャルピー衝撃試験、アイゾット衝撃試験が代表的である。
衝撃強さ
材料が衝撃荷重に対して示す抵抗値。
焼鈍
焼なまし」、「アニール」の項を参照のこと。
ショットブラスト
圧縮空気または遠心力などでショット=shot(鋼粒)やカットワイヤなどを加工物に吹きつけて行う研摩方法。美観、塗装下地または酸洗の前工程で行われる。
真空蒸着
高真空中で、金属、合金または化合物を蒸発させ、基板表面上に凝固、堆積させる方法。この方法によれば電気的に不導体である布、紙、プラスチックやガラスの上にも金属の蒸着が可能である。
深冷処理/deep cooling
サブゼロ処理」の項を参照のこと。
ジェミニー試験
焼入材の焼入性を試験する方法。求められた硬さの値で、最高値と最低値を帯状範囲で示したものをHバンドともいう。

時効硬化/age hardening

固溶化熱処理」(非鉄金属、特にアルミニウム合金では「溶体化熱処理」という)した合金は、本来ならば、低温で析出するはずの合金元素が急冷により析出するまもなくむりやり溶け込まされた状態となっており不安定である。これが時間の経過につれ本来の安定な状態にもどろうとして、ところどころ析出してくる。この析出により結晶はすべりにくく硬くなる。これを時効硬化または「析出硬化」という。時効硬化には常温時効硬化と人工時効硬化があり、後者を「析出硬化処理」ともいう。
磁性体/magnetic body
磁極を近づけた時、反発する物質を反磁性体、ある程度吸引される物質を常磁性体といい、この2つを工業的に非磁性体という。また磁化され易く磁極に強く吸引される物質を強磁性体といい、これを非磁性体に対する磁性体という。伸銅品、アルミニウム合金、オーステナイト系ステンレスは、非磁性体であるが、フェライト系、マルテンサイト系、析出硬化系ステンレスは、磁性体(強磁性体)である。
常温時効
時効硬化」「析出硬化」の項を参照のこと。
人工時効/artifical aging
時効硬化」「析出硬化」の項を参照のこと。

靭性(じんせい)/toughness

物質のねばり強さを技術用語で「靭性」という。引張試験での「伸び」の大小とは直接関連しないが、衝撃にあっても割れにくい特性であるため、衝撃試験の数値が大きければ、一般にねばり強いといえる。

巣(孔)
鋳造や溶接などで発生する巣(孔)は、ガス孔(ブローホール、ピンホール、ボリング=にえ、吹かれ)と引け孔(引け巣)とがあり、引け孔には開放形(外ひけ=発生ガスによるくぼみと区別する)と密閉形(中央線引け、ザク=極枝状晶の小孔の集まり)がある。巣(孔)に砂、スラグ(slag)、黒鉛などを充填しているときは欠陥となる。
水素脆性(すいそぜいせい)
鋼に水素が入ると分子間に細かい亀裂ができてもろくなる。またタフピッチ銅は酸素を0.02~0.05%残した99.9%以上の純銅であるが、水素を含む還元気体中で400℃以上に加熱すると銅中の酸化銅が還元されて水蒸気を生じこの圧力で細かな亀裂が生じもろくなる(水素ぜい化)。但しこの現象はりん脱酸銅、無酸素銅には見られない。
スエージング/swaging
棒や管を絞ってテーパーにするような加工をスエージングという。
すきま腐食
構造的に形成されたすき間の内部が腐食される現象。材料の合わせ目、溶接部、ごみや付着物の下などがすき間となる。
スキンパス
最終製品の焼純酸洗後あるいは光輝焼純後に、帯鋼の形状を矯正し、表面光沢を良くするために行なう軽い圧延のことである。製品としては、ステンレス(H)平棒にスキンパス肌のものがある。表面は2B材に近い。
スケッチサイズ
定尺寸法(小板、3'×6'板、1×2板、4'×8'板、5'×10'板など)以外の巾×長さの板をスケッチサイズという。
砂型
砂で作られた鋳型をいい、乾燥型と生型とがある。砂型鋳造は造形が容易で、寸法の大きな製品が簡単に生産できる。

スプリングバック/spring back

金属の板を曲げ加工すると、加工後、板は弾性によって曲げ変形が幾分元に戻る。この現象をスプリングバックという。防止策としては曲げ半径を小さくし、板の外皮応力を増し、曲げ加工部に引張応力を与えて引張変形を与えるようにすることである。
スラグ/slag
鉱石を精練する際、溶剤の作用によってできる非金属的組成の物質のことをいう。一般に酸性酸化物と塩基性酸化物の混合物(例えばSiO2・CaOなど)の場合が多い。鋳造において巣(孔)にこのスラグがたまると鋳塊の欠陥となる。

スラブ/slab

ケーク」ともいう。板、条用の厚い板状になった鋳塊のことで、主に円柱形の鋳塊(=「ビレット」)と区別されている。
スリット加工
板などを圧延(ロール)方向に沿って切ること。

析出硬化処理

固溶化熱処理(溶体化処理)の後、時効硬化(析出硬化)を人工的に行うことをいい、ベリリウム銅、ステンレス鋼の600番台のものやアルミニウム合金の2000番系、6000番系、7000番系及びアルミニウム合金鋳物などのT6処理が代表例である。熱処理としての析出硬化処理は、合金に応じて人工的に温度を上げ、溶け込んでいる元素の原子連動を容易にしてから冷やして行くもので、時効硬化を早める。これを人工時効硬化ともいい、アルミニウム合金では「焼戻し」に当たる。一方常温で行われる時効硬化を「常温時効硬化」あるいは「自然時効硬化」という。アルミニウム合金ではT4処理が代表的であり、人工時効硬化(T6)とは区別されている。
切削性/machinabillty
切削加工性の良し悪し。難削材としてはSUS304、純アルミ、銅などが上げられる。切削性の改善にはPb、Bi、S、Se、P、Teなどの添加元素を混入させ、快削材に改良する。SUS303、A2011、快削銅、快削黄銅などが代表的である。
センターレス(CG)
センターレス(無芯)・グラインディング(研磨)の略語で回転する2つの砥石の間に通して研削を行う研磨法である。寸法精度・表面粗度・真円度において引抜品より優れている。
せん断加工
材料(通常板材)を2つの工具の間に差し込み、工具を押圧することで局部的にせん断応力を集中させて材料を分離する加工法のことをいう。シャー切断や打抜きプレスなどが代表例であるが、この際2つの工具とはシャーリングにおいてはブレード(上刃、下刃)であり、打抜きにおいてはパンチとダイスである。
せん断弾性係数
横弾性係数」の項を参照のこと。
せん断強さ/shearing strength
材料がせん断によって破壊する際の最大応力のことで、せん断面の面積(mm2)当たりの最大値で示す。N/mm2(kgf/mm2)
せん膨張係数/coefficient of thermal expansion
温度変化による膨張・収縮を温度が1℃上昇したとき、元の長さに対する単位長さの伸びで示す。:μm/℃
脆性(ぜいせい)
物質の“もろさ”(Brittle)を技術用語で「脆化」という。(脆性←→靭性)。衝撃試験である程度脆性の大小をいうことができる。また金属の脆化現象には次の様なものがある。
低温脆性
水素脆性
中間温度脆性
475℃脆性
赤熱脆性
焼戻し脆性
青熱脆性
σ相脆性

塑性(そせい)/plasticity

粘土は一度押したり曲げたりするとそのままの形で元に戻らない。この性質を塑性という。一般に金属は塑性の大きな物質であり、この為、圧延、押出、引抜、プレスによる曲げ、絞り、鍛造、転造といった塑性加工が容易である。(塑性←→弾性

耐食性/corrosion resistance
腐食されにくい性質を耐食性が良いという。普通、鉄は“さび”やすく、ステンレス、アルミ、伸銅品は“さび”ないといわれるが全く腐食しないものはなく、腐食されにくいということである。腐食には金属組織や内部応力といった内的要因と、溶接や曲げ加工、表面処理などの加工要因、温度や湿度、酸、各種薬品、使用環境などによる外的要因があり、それぞれの要因に対してあるいは複合的に、耐食性が問われる。一般的には、オーステナイト系ステンレス、5000番系アルミニウム、青銅系が耐食性の良い材料とされるが、統合的には高Ni合金が優れているといえる。
体積弾性係数 K
水圧のように弾性体の全表面に一様な応力p(kgf/mm2)が作用する時に生ずる体積の変化ΔV(mm3)を、もとの体積V(mm3)で除したものを体積ひずみ(εv)という。一様な体積ひずみεvとの比を体積弾性係数といい、Kで表す。K=p/εv(kgf/mm2)